コーディネーターの心得
先ずは、運営手順の習得を

 支援者の皆さんが地区センターで災害ボランティアコーディネーター(以下、コーディネーターという。)を担う場合は、「業務マニュアル集第7版」のそれぞれの手順に基づいて実施いたします。運営委員会では、その習得のお手伝いを行うために、担当別に次の担当リーダを決めています。担当リーダーは、担当に関する専門的なスキルを深め、養成講座や設置運営訓練に際しても、支援者の皆様をサポートいたします。加えて、担当に関する必要な帳票や資料等についても管理を行ないます。支援者の皆様には、細かい手順や使用する帳票、資料等については、それぞれの担当リーダーがサポートをいたします。今後の勉強会などで支援者の皆様とコミュニケーションを図りますのでよろしくお願いします。

コーディネーターのより一層の専門性を高めるために

「業務マニュアル集」は、主に手順をまとめているため、「コーディネートをどの様にするのか」を考える基本部分が抜け落ちがちになってしまいます。その抜け落ちている部分をできるだけ補うためには、コーディネーターの専門性(価値、知識、技能)を高めることが必要と思います。ここでは、その基本部分を確認いたします。

災害ボランティアコーディネーターの役割

コディネターの基本的な役割は、「支援が必要とする被災者」と「被災者を支援したいと想うボランティアを結びつける調整役です。他方、災害ボランティアセンター(以下、センターという。)は、被災者のニーズを把握し、そのニーズに対応するボランティアを受入れる基本的な役割のほか、活動の安全衛生管理、ボランティアの募集や資機材の調達、センター運営上必要な事務備品の調達、通信手段、運営資金の確保など「ひと」「もの」「かね」「情報」を束ねる機能と役割を果たしています。

コーディネーターは、このセンターの運営に関わる機能を運営スタッフとして担います。

  コーディネーターに求められること(心得) 

 コーディネーターは、調整役と言っても機械的に被災者とボランティアをマッチング(調整/つなぐ)すれば良いというものではありません。コーディネーターは、ボランティアや被災者の一人ひとりの「想い」を真摯に大切にし、お互いの「想い」をできるだけ近づけ、お互いが理解できる関係(つがり)を創り出すことが基本です。いかに一人ひとりの「想い」を尊重し、ボランティアの希望をかなえる活動先を紹介し、被災者につなげていくことが求められます。 この調整を機械的に行うとトラブルが生まれボランティアと被災者に不本意な結果をもたらすことになりかねません。そのためには、コーディネータ自身が被災者の「想い」に傾聴し、被災者の困っていることを聴き取り、そのニーズに応えていくことが必要となります。

 

  ボランティアとニーズのマッチングの基本とは(調整/つなぐ) 

 マッチングとは、被災者を支援するためにボランティアとニーズを、ただ単に機械的に「つなぐ」ことではなく、ボランティア活動を通してボランティアの「想い」を被災者へ届け、そして、お互いの持つ力が活かされ高められるように調整することです。しかし、センターに駆けつけるボランティアの一人ひとりの「想い」(活動目的、技能、共感力など)は様々で、また、被災者のニーズも時間と共に変化します。

 このため、マツチングにあたっては、ボランティアの個々の「想い」を真摯に大切にし、ボランティアと被災者が、「してもらう人」、「してあげる人」という関係ではな<、共に復興に向けて協力する対等な関係(パートナー)として、その自立に向けた活動が展開できるように被災者へボランティアの「想い」を届けるように工夫します.

■マッチングする際の留意

 災害時は被災者が心身共に落ち込んでいる厳しい状況にあり、また、様々なボランティアが活動する中では、ボランティアと被災者の「想い」を近づけるコーディネートはなかなか難しいことです。しかし、できる限り「想いを行動に移せる機会」を紹介することに傾注します。

■ボランティアの力を活かすマッチング

 ボランティアの中には、ボランティア活動の経験や技能を持っている方がいます。他方では、被災者のニーズの中には、このようなボランティアの持っている力を求めるニーズがあります。ボランティアの力を活かすには、ボランティアの持っている力の発掘とその力を発揮できるニーズを把握します。加えて、一部の担当者だけでなくセンターの各担当がその情報を共有し全体で対応することも必要です。